アオタイ完走記(完全版)

初サブ3を達成した2005年12月11日の第19回青島太平洋マラソン。
先日、作成を依頼していたオリジナルDVDが届いていました。
このDVDを皆さんにぜひご覧いただきたいと思っておりますが、いくらなんでも不特定多数の方に向けてここで配布するわけにも行かず。
こあきさんがゴール写真を載せているのを見て、自分も途中のカットをDVDから抜粋し、以前まとめた完走記に被せてみることにしました。
やっぱ、ゴールの瞬間の写真がないと締まらないというか、完走記として物足りなかったんですよね。
ランニングモニター卒業生スペシャル版
当日の日記「夢の実現」
アルバム:青島太平洋マラソン



スタート30分前、整列開始です。
自己申告タイム順に並ぶので、3時間以内は最前列です。
僕も迷わず前方に整列。
スタートは競技場外の大きな通りからなので、道マラみたいな極端な混雑はなさそうです。
それでも、スタート直後に事故に巻き込まれるのだけは注意しないといけません。
無理して前に並ばず、自分の場所を確保します。
北海道から参加の走友とも一緒になり、スタート前の緊張を楽しみました。
道マラのときとは打って変わって、落ち着き払った自分がそこにいました。

9時ちょうど、運命のスタート。
焦らずじっくりとスタートを切ります。
今日の僕の作戦。
序盤はゆっくり、遅すぎるんじゃ?というペースで行くこと。
そして、後半ビルドアップ。
作戦通り、きっちり4’30/kmのペースで最初の1kmのLAPを刻みました。
気づけばスタートで一緒だった(元祖)パパさんが驚いた顔で併走しています。

『大丈夫なの?、これ4’30/kmのペースだよ!』
「これでも、道マラの最初の1km(5’39)よりも速いんですよ。道マラで届かなかったあと4kmを、今走っているんです。残りの38kmはあの時でも僕は走れたという自信が有るから、それから徐々に上げていきます。」

5km地点を22’19で通過。(道マラのときは22’06前後)
『上げてくんでしょ?、俺はこのままのペースで行くから』という(元祖)パパさんに、「じゃ、ゴールで!」と言い残し、徐々にペースを上げていきます。
と言っても、一気に上げるわけではなくじりじりとです。

01km 4'30
02km 4'27
03km 4'26
04km 4'27
05km 4'27 (5km 22'19)
06km 4'17
07km ----
08km 8'20
09km ----
10km 8'10 (10km 43'06 / 5kmLAP 20'47)
11km 4'08
12km ----
13km ----
14km 12'25
15km 4'11 (15km 1:03'53 / 5kmLAP 20'47)
16km 4'08
17km 3'57 ※きっと距離表示が狂ってます
18km 4'24
19km 4'12
20km 3'59 (20km 1:24'34 / 5kmLAP 20'41)
21km 3'50
ハーフ通過 1:29'03


わずかな登り坂でも頑張らず、下りでは楽をして、ぎりぎりサブ3ペースのLAPを淡々と刻み、脚を溜めました。
コースは普段は有料道路。
ハーフ折り返し地点では、海岸に最も近く、打ち寄せる波の音が聞こえました。
吸い込まれるような青い空、どこまでも続く青い海。
立ち並ぶフェニックス。
大声で「きもちいい~~!!」と叫びたくなるような、最高の風景。


今思えば、この時点でサブ3を確信していました。
ハーフ1:29じゃ、ほんとはダメと思うところです。
実際、GTMailsで配信された僕の予想ゴールタイムは3:14’08でした。
競技場で待っていた妻も、仕事も手につかず息子のタイムを気にしていた父も、顔が青ざめたことでしょう。
道マラのゴールタイムと変わらない予想タイム。
でも僕の脚も体も軽かったんです。
道マラのときは、既に中間点で体調の異変に気づいていましたから。

折り返し直後にエネルギーを補給し、ここからビルドアップ開始です。

22km 4'11
23km 4'00
24km 4'14
25km 4'07 (25km 1:44'58 / 5kmLAP 20'24)
26km 4'07
27km ----
28km 8'07
29km 3'46 ※きっと距離表示が狂ってます
30km 4'17 (30km 2:05'18 / 5kmLAP 20'20)


道マラの時の30km通過は2:05’14でした。
タイムはほとんど変わりませんが、中身が全然違います。
まだまだ体も余裕です。
でも、体力とは裏腹に、いつ意識を失うのか、それだけが心配でした。
頭がボーっとしてきたり、視界が狭くなってきたり、そういう前兆はまだ感じられませんが、僕の意識は最後までしっかりもってくれるのか、それだけが心配で心配で。

31km ----
32km 7'56
33km ----
34km 8'23
35km 3'57 (35km 2:25'35 / 5kmLAP 20'17)

35kmまで我慢して、35km過ぎたらQちゃんのようにスパートできたら恰好いいな。
そんなことを考えていました。

36km ----
37km 7'40
38km 3'55
39km 3'55
40km 3'54 (40km 2:45'00 / 5kmLAP 19'25)

折り返してからの後半、中間点を1時間遅れでスタートしたハーフ組とも合流し、ゴボウ抜きだったはずなのに、35km前あたりで二人が僕をかわしていきました。
その一人にくらいつき、予定通り35km過ぎにスパート開始。
つかず離れずの距離をついていきます。
まだまだ大丈夫。
脚も大丈夫、意識もきっと飛ばない。
40km過ぎにその二人を差し返して、さらにギヤを上げます。

41km 4'00
42.195km 4'07

競技場に向かう道すがら、何度か涙がこぼれそうになりました。
レース中、僕はずっと笑顔だった気がします。
楽しくて楽しくて、気持ちよくて気持ちよくて。
まったく苦しいと感じることがありませんでした。
こんなに楽しい時間が終わってしまうことがもったいないと思うくらい。
夢の実現に向けて、一歩一歩。
3コーナーのゲートから競技場に入り、サングラスを外しました。
バックスタンドを見上げて、右拳を突き上げるのは忘れたけど、「あぁ、これなんだ」と一瞬だけQちゃんの気持ちとシンクロした気がしました。
最後のストレートは、渾身のラストスパート。
ゴールライン直前で追い込み届いて一人かわせたのかな。
最後の1.195kmを4’07ということは、3’26/kmのラストスパートです。

ゴールの瞬間は、両腕でガッツポーズ。
ゴールしてすぐ振り返り、妻と子供達を捜しました。
僕にいち早くタオルを渡したかった上の娘は、転んで顔を打ち、それでも泣かずに歯を食いしばり、僕にタオルを渡してくれました。
妻と固く抱き合い、「やったよ!俺、やったよ!!」と喜びをかみ締めました。
下の娘を抱き上げ、妻に監督のサイン入りTシャツを持ってきてくれるようお願いしました。
妻はその後、僕の目の届かないところで一頻り泣いたそうです。
僕のゴールを誰よりも待ち望み、僕よりも喜んでくれたのは、妻だったのでしょう。

2:53’08


道マラの失敗で、失いかけていた自信。
あの時一瞬掴みかけたもの、意識が飛ぶ寸前に感じた「行ける」という感覚を確かめたかった。
道マラから3ヶ月、今度も独りで積み上げていった自信貯金は、道マラの時より高く強固なものになったという手ごたえはありました。
でも、走ってみなければわからない。
天候、気温、風、湿度、周りを走る人、沿道の応援、給水・・・etc
沢山の外的要因が結果を左右するのがフルマラソン。
『初フルでサブ3』という目標に、本当に僕は届かなかったのか。
今の僕の方が、確かにあのときの自分よりもさらに進化しています。
でも、あの時本当に僕は届かなかったのか。
そればかりが、この3ヶ月間、悪夢のように僕を追い立てていました。
でもその不安は、宮崎の青い空に、青い海に吸い込まれて、消えてなくなりました。
寄せて返す太平洋の青い波にさらわれて。
監督のサイン入りTシャツを手に、ゴール後のインタビューを受けました。
今回は、オリジナルDVDの作成を依頼してあったのです。
これもサブ3達成の予感と自信からでしょうか。
自分が手にするDVDなのに、カメラの向こうに小出監督が見てくれているような気がして。
直接の報告は出来ないけれど、自分の中でこういう儀式が必要だったのかもしれません。
じゃないと、終われない気がして。

僕のような人間でも、やれば出来るんだ。
明確な目標を持って、強い意志でそれをやり遂げること。
努力すれば、必ず夢は叶うとは言いませんが、努力しなければ叶うわけがありません。
僕は努力してきたのだろうか。
それを自問自答する必要が無いことを、嬉しく思います。
だって、皆さんがそれを知っているから。
僕の喜びを共有し、自分のことのように喜んでくれているみなさん。
ありがとうございます。
みなさんが喜んでくれるおかげで、僕の喜びは何十倍にも何百倍にもなりました。
喜びと夢の連鎖。
僕もまた、次の夢に向かって走り出しました。
今度は日本中で、みなさんがこの連鎖を広めてくれることを祈っています。

カテゴリー: ランニング パーマリンク

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