阿修羅展

友達に誘われ、東京国立博物館で開催されている、興福寺創建1300年記念の阿修羅展へ行ってきました。
美術館博物館は大好物だけれど極度の出不精の私。お誘いがなければ「そっかあいってみたいなあ」で終わっていたはず。しかもいったことないところだし。
誘ってくれる友達に感謝・・・!

平日まっただ中の開館直後くらいの時間から行ったのですがすでに大行列。
事前情報で午前中が混んでて1時間くらい待たされるとは知っていたんですが目の当たりにすると・・・・しかもその日はよく晴れてて夏のような暑い日差し。
日傘の貸し出しにも納得です。建物までほとんど日を遮るモノがありませんでした。
途中にはお水が飲める給水ポイントまでありました(笑)
並んだ時には50分待ちでしたがそれよりは若干早く場内に入ることが出来ました。
わくわくしながら2階展示室へ向かいます・・・・。

入ってすぐは鏡や椀、水晶の念珠など東京博物館所蔵の工芸品の数々。
暗めの照明に水晶や琥珀が鈍く光ってなんとも言えない渋い美しさを放っていました。
照明が暗すぎるという批判もあるようですが、実際現地で観る雰囲気とは違うかもしれないけれど、私はあのくらいが陰影が美しくて好きでしたね。
細かい細工の数々に感心しつつも「メインはこの奥・・・」とやや足早にすすみます。

次の展示がいきなり八部衆(阿修羅以外)と十大弟子像。
あ、この手前のところに派羅門立像があったのですが、これもなんか印象的。好みだったんだろうか。
こういうとき知識が乏しいと感想が上手く書けなくてもどかしくなるんですよね・・・。
八部衆、インドの香りがしました。
迦楼羅立像とか、乾闥婆立像とか、和のたたずまいのニオイは感じるけれど造形がやっぱりインドっぽい。こういうの大好き(笑)
十大弟子像もなんというか立ち姿に欲がないというか、あの清々しさみたいなのってやはりお弟子さんだからでしょうか。
なんであんなの作れるんだろう。。。

いよいよ一点だけ展示されている阿修羅立像へ。
スペース中央に置かれているため、阿修羅の周りをぐるりと人々が取り囲んで観ていました。
ぎゅうぎゅうです。おばちゃん、おばあちゃん、実はオールスタンディングのライブとか通ってるの?と聞きたくなるくらいのぎゅうぎゅうぶり。ちょっとした修行でした(笑)
しかし、三面六臂の阿修羅をぐるりと取り囲む静かな熱気に満ちた群衆と阿修羅、という風景は勝手な思い込みかもしれないけど、宗教チックな景観でしたよ。
悪い意味じゃなくてやっぱり日本人には仏や神を拝むDNAが入ってるのかもしれません。
今回、仏像たちを照らすライティングも細部までくっきり見せますよ!的な光量ではなく、神秘的な雰囲気を生み出す抑えめな明かりだったからなぁ。
でも美術品展示という域を越えない演出というか。なんにしても好みでした。

阿修羅をたっぷりとみたあと、「これ以上何が残ってるのだろう」と思って第二会場に行ったら、いきなり阿弥陀三尊像がお出迎え。
その後ろにはどどーーーんと四天王がそろい踏みでさらに奥には薬王菩薩と薬上菩薩が。
でかい。でかけりゃいいと思った事なんてないけど、こういうのってある程度の大きさがあるとそれだけで神々しい感じになっちゃうんだなと思いました。
今回の仏像の展示は背面までじっくり見られるように十分なスペースをとって展示してあるので、普段はみられないだろう細かなところまでじっくりみることができました。
それに、どれも素通しなんです。同じ空気の中で観られるのはやはり素晴らしいです。
中学校くらいのときに比叡山と天台の美術展というのに行ったことがありますが、あのときは千手観音はガラスケースに入ってました。
絵がガラス越しではその質感がなかなか伝わらないように、立体造形もやっぱり同じ空間で観た方が圧倒的にいろんなものを感じ取れるように思います。

思った以上に満腹満足な阿修羅展でした。
だからかな、会場外の物販ブースで何か買いたいって思わなかったなぁ。
見せられたモノで目がものすごく満足しちゃってました。
会期は6月7日まで。金・土日祝休は夜8時までなので仕事帰りでも観られます。
夕方から夜の時間帯は比較的空いてるそうです。

仏像とかそのへんが好きな人はぜひ。

カテゴリー: 時事 パーマリンク

阿修羅展 への2件のフィードバック

  1. なおみ のコメント:

    大半の阿修羅さんには顔と首が対であるのに、興福寺の阿修羅さんは首が一本。
    左が少年、右が青年、正面が成年と成長していってるらしい。
    いつからみんなこんなに仏像好きだったのってくらい混んでましたね。そんなに好きだったら興福寺に見に行けばよかったのに。
    なんて、意地悪なことを思う。自分もその一人なのに・・・
    でも阿修羅展は後ろからも阿修羅さん見れますから、価値はあります。
    確かに修行でした(涙

  2. はるか のコメント:

    >なおみさん
    ほんとにいつの間に国民総みうらじゅん化してしまったんでしょうか(笑)
    しかし興福寺で見るより間近でぐるりと見てまわれたのは貴重でしたね~^^
    阿修羅さんのまわりはモッシュがはじまりそうなぎゅうぎゅうさで修行でしたね~~
    今度は9月からはじまる聖地チベット展に行きたいと思ってます。
    あっ、その前に7月から始まったゴーギャン展も行きたいかも・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください