新年のリサイタル

新年早々、素敵な光景に出会いました。
年始挨拶に祖母のところへいった帰り、地下鉄を待っていたときのことです。
座っていたベンチの隣りに、カップル（20代前半っぽい）が座りました。
見た感じ、まぁ可もなく不可もないごくフツーのカップル。
女の子は「新年だから！」と多少気合入った服装。ミニスカートにブーツ、ついでにちょっと内股（笑）
男の子はカジュアルな服装だけど、なぜかサイドバッグ持ち。
そんな彼らはベンチに座ってしばらくすると歌を歌い出しました。
「この歌イイよねー」「うん、イイよねー」なんて言い合って、二人で歌い出したのです。鼻歌じゃありませんよ、普通に歌い出したんです。
高らかにといえば言い過ぎですが、不幸にも私とアカンボ以外いない構内で、あの音量は聞こえてないフリをするには大きすぎました。
歌は聞いたことのないものです。二人ともあんまり上手じゃないのでますます誰の歌なのかわかりません。
なんか、苦労節っぽい内容の歌だったと思いますが、私はどうにかしてこのいたたまれない空間から逃げたいと冷や汗かきつづけたの
でよく思い出せません。
二人だけの新年リサイタルは歌がエンディングに行かないうちに地下鉄がきてお開きになりました。
その間、およそ数分たらず。
でも私には永遠かと思われるほどの長い時間でした…。
梨彩が一緒じゃなくてほんとによかったと思いました…。
人目はばからずキスしたり、ディープキスしたり、構内に人気ないのにかこつけて、あれとかこれとかそれとかするカップルは何度か目撃してますが、リサイタルは初めてでした。
なんとも言えない脱力感…もしかすると風邪はあの二人からもらったのかもしれません。