オットがあまりにもススメるので観てまいりましたよ。
私は「謙さん、きゃーーーー」になるかと思ってたんですけど、「真田さんっ(←リキんでいる)」でした。
もちろん、両者とも「うぉおおお」ってなるほど良かったっす。
外国人の目から見た、「サムライソウル(武士道)」をカタチにした映画ですね。
「お侍さん」とかいう言葉は全然ハマりません。
ここらへん、日本人と外国人の見識の違いを感じます。
なので、本来この映画に大いなる違和感を覚えなきゃいけない。
だけど、あまり違和感を感じずに観られることに少々寂しさを覚えました。
「ここまで離れてしまったのか・・・」とね。
違和感といえば、ムラの情景のバックにトムの「語り」が入ると、「ナショナルジオグラフィック」とか観てる気分になるのはなぜでしょう(笑)
そして、日本語のシーンを「英字字幕」を読みながら聞いてると「異国の言葉」になってヒアリングができなくなる私はただのバカなんでしょうか??(汗)
私は、考えてさせられてしまうところが多くてオットほどには泣けませんでした。
(でも、3~4回泣いたが)
っていうか、ナナメ後ろのカップルが号泣しっぱなしで・・・(笑)
ギャル系の子とラッパーみたいな子の「ある種典型」な二人で、この二人が・・・。
嗚咽をもらしながら泣きまくりで。気にするひとならあれで集中そげそうなくらい(^_^;;
私は自分が目立たなくなるので嬉しかったですが・・・。
トム・クルーズは病んだ役がいい味だしてますね。
それに、あれくらいバタ臭い顔の方が「異人」っぽさが出てよろしいかと。
小雪さんがもう、ため息のでる美しさでした~~。
あの、凛とした白い肌が・・・露出が少ないものの、色気に走らない、ストイックな色気(相反してるヘンな言葉ですが)
役どころがフクザツだったせいもあり、余計際立って見えました。
最初の戦いのシーン。
霧の向こうから現れる武者達の姿をみて、「ナ、ナズグルだっ!!」と思ってしまったのは私だけでしょうか?(汗)
鎧や兜も美しく、かといってその下の汗を描き忘れることもなく。
ただ、「美しく散りたい的」な「滅びの美学」は私には理解しきれないのです。
それは、私が「村に残る」女の心だからそう思うのか、定かではないのですが。
完全に物語りに没入できない一番大きな原因はそこです。
そう考えると、「武士とは死ぬことと見つけたり」という武士道は、私の理解を超えたものなのかもしれません。
後ろに置いてきてしまったものは美しく描けば描くほど寂しく哀しい気持ちになる。
この映画をみて一番抱いた気持ちです。
いま、ふと気付きました。
この作品がものすごくかっこいいのに、背中の手の届かないところが痒いような違和感を感じてたのですが、その原因がわかりました。
「サムライ=日本男児」ではないし、日本の歴史を作ったのも、サムライではない
(動かした時代もあっただろうけれども、全体の流れを左右するほどの力ではなかった)
考えてみても、武士の人口って全体の数パーセントでしょ?
我々が中世フランスを思い浮かべるときに「ベルばら」みたいなのを思い浮かべちゃうのと一緒じゃないですか?
確かに、「武士道」、その心は素晴らしいと思う。
だけど、だけど・・・と色々ぐるぐる考えてしまうこの頃。
もうちょっと違う角度から描かれていたら・・・
「うおお、かっこいい~~」とはいえなかったかもしれないけれど、こんな違和感は覚えずに済んだかも。
結局、「外国人からみたファンタジックな日本」が痒さの原因なのか・・・。
だとしたら、アタシってかなりつまらない人間かもな(汗)
でもね、こんな事言ってても、好きなんですよ、この映画。
泣けるし、惚れるし、鳥肌立つし。
女性は「命」を創造することが出来ます。
男にはそれができないから、命を絶つんでしょうか。
戦争したり、人を殺したり。
咲かせることよりも、如何に綺麗に散るか。
これが大事なんです。
僕にはわかる気がしますよ。
人間五十年…
でもきっと、僕は平凡に生きますけどね。