僕は昔、結構真剣にマラソンを走っていた。
その頃の夢は「国立競技場のマラソンゲートを潜ってゴールすること」だった。旧国立競技場のトレセンに通い、仲間と、ライバルと、あのトラックを何百周もした。でも、唯一それが可能だった東京国際マラソンは、2006年にその幕を閉じてしまい、叶わぬ夢となった。
僕のような人間にとってですら、「あの場所」は特別な空間だった。そして、解体されたことで、本当に大切な記憶の中のLegendとなった。小さくない、心残りと共に。
こういうものこそが、大切だと思う。
大切にしていきたいと思う。
僕に言えることは、それだけだ。