原題「One Flew Over the Cuckoo’s Nest」
ジャック・ニコルソン主演。
1975年のアカデミー作品賞、主演男優賞、主演女優賞など受賞。
重く、救いの無い作品だということだけ聞いていて、敬遠していた作品のひとつです。
実際にレンタルショップに足を運んでいたのでは、きっと借りないだろう作品ですね。
一般に、非常に評価の高い作品です。
僕の中のランキングでもきっとかなり上位に入ることでしょう。
声を押し殺すように、目を手のひらで強く押し付けながら、ただただ泣きました…
やるせなくて、涙が止まりませんでした。
この映画を観るにあたり、当時のというか、1970年代以前における精神病に対する外科的治療方法(いわゆる「ロボトミー」)について、前提知識があるとなお良いかと思います。
猟奇殺人などに興味がある人は知っている可能性がありますが、そうでない人は、まずは騙されたと思って「フロム・ヘル」を先に観ておくと良いでしょう。
フロム・ヘルについては、この日記でも触れています。
彼が本当に精神を病んでいたのか、それとも病んでいたのはその他全員で、マクマーフィとチーフだけがまともだったのか。
電気ショック療法を受けた後、戻ってきたマクマーフィを一瞥したときの婦長の微妙な表情の変化。
自分が看護側の立場だったならば、どうなのか。
さまざまな問題を観る人に投げかける映画でした。
非常に重く、救いの無い描写の中で、ラストシーンだけが微かに救いでしょうか。
観てない人は、必見ですね。
ただし、観るのにかなり勇気が要りますが。
何年も何年も前、思い出せば「シャイニング」をみて衝撃を受けた中学生の頃から観なければ・・・と思っていた作品です。
やはり、テーマが重いので敬遠しておりました。
どうしても、レンタル屋に脚を運ぶと「エンターテイメント」を選びがちです。
さて、観た感想ですけども。
すごい作品です。ジャック・ニコルソンすごい。婦長役の人もすごいです。
精神病の療法の歴史やオットが言ってるいわゆるロボトミーの歴史の下地があるとなおいっそう深くなります。
詳しくなくとも、当時の世相だけでも知っておいたほうがより深く観ることができると思います。
知らないで観たら、重すぎる、辛すぎる。
私は、泣くことさえ抑え付けられているようで眼球は熱くなっているのに涙を流すことができませんでした。