残される部屋、待っている部屋

引っ越し準備が進むにつれ、一樹がここへ引っ越してきたときのことを思い出
しました。
まだ、私たちは結婚もしていなくて、付き合ってそんなに時間も経っていませ
んでした。
がらんとした部屋に、運び込まれた荷物。「広い部屋だな~」と思った記憶が
あります。
現在の段ボールの量を見ると、なんだか感慨深いものがありますね。
明日の夜が終わったら、もう二度と足を踏み入れることがないなんて、なんだ
か不思議です。
暮らし始めた頃、段ボールの箱をテーブル代わりにてしていたこと、少しずつ
増えていった食器、初めて梨彩を連れてきた日のこと・・・。
新しい部屋は、どんな思い出ができるのかな・・・・。

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