回想NYCマラソン #6

なかなか他の事で精神的にいっぱいいっぱいで、走れないし、書けない日々が続いていました。
やっと落ち着けるかなぁ、そんな状態になってきた気がするので、少し続きを書きます。
というか、あれからもう5ヶ月も経ちますが、1日たりともNew Yorkのことを思い返さない日はありません。
時間が経つにつれて、不思議なことにその思いはどんどん深まっていきます。
今も妻が「オペラ座の怪人」のサントラを買ってきて、聞き始めたんですね。
もういてもたってもいられなくて書き始めた次第ですよ(笑)

さて確か、到着した直後ですね。
泊まるアパートメントホテルの部屋は、普通のアパートの1Fで入り口からすぐの部屋。
アパートは、映画でよく見るような、通りに面していくつも入り口があって、入り口の脇で住人が座っていそうな、あんなところ。
入り口を入ると風除室みたいになってて、新聞が無造作に落ちてます。
そこの鍵と、部屋の鍵と2種類必要です。
外のブザーで中を呼び出すと、内側からも鍵を解除できるんですが、ブーっとブザーが鳴ってる間だけ鍵が開くんですよね。
もたもたしてると取り残されます(笑)
部屋の鍵も微妙なコツが必要で、何度も練習しました。

さて、到着して一息ついて、すぐに近くを散策に出かけました。
ついた当日はとても暑くて、Tシャツで出歩いてもいいくらいだったのを思い出します。
緊張もしてたんで、すぐにでも寝たかったんですけどね。
近くの散策を兼ねて、目的は2つ。
まずは当座の現金を用立てるために、トラベラーズチェックを換金すること。
そして、プリペイドの携帯電話を買うことです。

まずは、目に付いた一番近くの銀行に行きました。
窓口の列に並んで、恐る恐る換金したいんだけどと伝えると、彼女はチェックを受け取ってアシスタントマネージャの机に行き、なにやら話してます。
戻ってきた彼女は首を横に振って、うちでは換金できないと。
でもこの先の銀行ではできるはずだからって、丁寧にもChaseという銀行を教えてくれました。
ものすごい緊張してたんですが、違う銀行を紹介してくれるサービスに感動。
ニューヨーカーってすげぇ早口で、人のことなんて構ってなくて、冷たいとかって勝手にイメージしてたんですが、日本人に比べればみんな人懐っこくてすごい親切なんですよね。
かなり救われた瞬間でした。
案内してもらったとおりにChase銀行へ行き、換金終了。
100ドル換金しましたが、札もちゃんと20ドル以下のもので適当に散らしてもらって、初めてにしては上々の出だしです、ぬふふ。

そして次はセブンイレブン。
あらかじめ調査しておいたプリペイド携帯電話を買いに行きました。
1つ目の店にはなくて、2つ目のセブンイレブンで発見。
しかし、コンビニエンスストアって、日本のものとかなり違うんですよね。
入ってすぐ、ソフトドリンクのコーナーがあって、セルフサービスで好きなようにカップについじゃう。
なんかいろいろ混ぜて、買う前から味見してる人とか、もう好き放題な感じで。
勝手にRefillしちゃったり。
日本だと、雑誌の立ち読みと、弁当ってイメージですけど。

で、セブンイレブンSpeakOutっていうプリペイド携帯電話を買いました。
ものはNokiaの1100で、GSMデュアルバンドの端末。
30ドル分の通話権がついて59ドル99セント。
購入はクレジットカードでやってみたけど、レジでカード渡してキャッシャーで通すんじゃなくて、目の前にPDAみたいな端末があるんだよね~。
自分でカード通して、サインもそこの画面上でタッチペンで書いちゃう。
すごい合理的っていうか、それ見て絶対使ってみたいと思ってカードで買ったんだけど。
やっぱりカード社会だけあって、自動販売機でもカード使えたり、こういうのは日本に比べてすっごく便利だと思いました。

でも戻ってから開封してみたら、30ドルの使用権なんてどこにもない。
カードが入ってて、センターに電話してチャージするのかと思ったんだけど。
もうチャージされてるのかと思って、端末の電源入れて確認してみるけど、そんなこともなく。
きっとレジで、30ドル分のエアータイムのカードを別途バンドルしてくれるはずだったんだろうけど、店員が慣れてなくて忘れたんだろうなぁ・・・
そういうところはすごいアバウトで、こっちからバシバシ指摘しないといけないお国柄。
だまって座ってるとサービスが降ってくるような国と違うんですね。
いきなり手痛い授業料でしたが、クレームつけれるだけの度胸も英語力もなく…

さて、この後は本日のメインイベント。
渡米初日、右も左もわからない上に眠いのに、ブロードウェイへオペラ座の怪人を見に行かなければなりません。
チケットは前もってTicketMasterで購入しておいたので、印刷したバーコード見せれば入れます。
あとはマジェスティックシアターに迷わず行けるかどうか。
携帯のEZナビウォークも無いし。
いかにGPSナビゲーションが便利なことか痛感しましたよ…

さぁ、次回はNew Yorkの地下鉄に乗ります…とかって、ここでやめようと思ったのですが、妻からブーイングが入ったので再開します。

割とゆったりしてたらもうかなり時間も押してて、う~ん、迷わずいければ間に合うけど、迷うだろうし微妙だな、なんて時間帯になってからいそいそと出かけだす二人。
最寄の地下鉄駅はLexington Aveの86 St駅、この駅は急行も止まる駅で、4、5、6の地下鉄が止まります。
New Yorkの地下鉄(MTA)は均一料金で、乗るときに2ドルであとはどこまでも行けます。
映画で見るようなガッチャンコと回る改札。
2ドルのチケットだけじゃなくて、後からチャージもできるプリペイドカードと、1週間とか1ヶ月とか使えるメトロカードがあります。
券売機ではクレジットカードも使えるんですが、ここで早速カードの罠にはまります。
こうやって無人でカード切るときは、往々にしてZIPコードの入力を求められます。
地下鉄の券売機もそう。
ここで入れるZIPコード=郵便番号はもちろん、Billing info=カード契約者の情報と照合するためのものです。
だから日本発行のカードの場合は当然、自分の郵便番号を求められているわけなんですが、米国のとは桁数が違うから入力できないんですね。
ところがここからがまた複雑です。
ZIPコードの入力は求めるけど、実際にはその券売機はオンラインじゃなくて照合してない場合があります。
その場合は、適当な米国のZIPコードを入力すればOKだったりします。
1回試してみてダメなら素直にあきらめましょう。
何度も試してロックされても嫌ですから。

そんなわけで1週間乗り放題のメトロカードを買おうと思って、カードが使えず途方にくれた僕らは、とりあえず時間もないので1回のチケット($2)をそれぞれ買って改札に突入したのでした。
こうやって通るんだよと颯爽と通り抜ける僕。
まねしてあとから通ろうとする妻。
しかし非常にも、ガッチャンコが回ってくれません。
速すぎるんだよ、もっとゆっくりだよなんて知ったかぶりしてみる僕。
もう一度ゆっくり通してみる妻。
またしてもダメです・・・
どんどん妻の顔が白くなっていきます。
何度も何度も何度も、いろいろな速度で通してみるもダメ。
あの改札機、かなりいい加減(笑)
でも改札入ってしまってる僕にはどうにもできず、だって鉄条網みたいなので仕切られてるから、戻れないし。
お金は全部僕が持ってるし…
で、妻に突き放す一言「あそこの窓口の人に事情を説明して来い」と。
『何て言えばいいの?』
「しらねーよ、なんかほら、がんばれ(笑)」
こんなやり取りがあったかと思われます。
意を決した妻は窓口に出向き、何かを言ったようでした。
すると、窓口の黒人のおっさんはあっけなく、非常用の扉を指差してあそこから入れと。
え?改札通らなくていいの?
まぁ、もう前払いのチケット買ってるし、それ回収すれば事足りるわけだし。
実際、改札は少ないから、出る人たちなんかは群れを成して詰まってて、非常用の扉がピーピー警告音発してても無視してがんがんそこから出てるけどね。
そこから入っちゃえと。
なんかすげーアバウトな…
お願いだから背中から撃たないでね、なんてビクビクしそうなくらいにびびってるのに、これまた拍子抜けな出来事があったのでした。
改札ひとつ通るのにも、この調子です。

しかもお約束で、DowntownじゃなくてUptownに向かう僕ら。
逆向きなことに気づいて次の駅で降りて反対のホームに向かうも、次の駅は各駅停車しか止まらない駅で、次の地下鉄が来ないこと来ないこと。
ほんと、遅れるかもしれないっていうのに、ひたすら焦りまくり。
やっとのことでGrand Central駅に着き、乗り換えてTimes Square 42nd駅へ。
外に出てからは何とか迷うことなく、マジェスティックシアターに開演15分前には着くことができました。
ふふ~ん、なんとかなるじゃんかと余裕ぶる自分。
でもこれがもし、間に合わなかったらと思うとぞっとしますね。
初日から修羅場でしょ。
妻と言い合い、キレる僕みたいな。

マジェスティックシアターは、結構古いなぁって第一印象。
会場内にはちらほらと日本人も見えて、ちょっとだけほっとしたりして。
でも落ち着かないんですね。
周りの雰囲気に完全に呑まれてしまって、座ってから動くこともできませんでした。
席は右手前の方で、わりとセンター寄り。
センターの前側は落ちてくるシャンデリアの真下で、高いんですよね。
通路挟んでますけど、その右側くらいで悪くない席でしたよ。
奈落の下にはオーケストラが控えていて、チューニングしている生音聞こえてくるし。
でもこの時点では、オペラ座の怪人の映画も見てなくて、あらすじもざっと知っているだけ。
日本に戻ってから映画版を観ましたが、すごく複雑な気分でしたね。
映画の冒頭、シャンデリアに灯がともり、ぼろぼろの劇場が一気に蘇っていくあのシーン。
映画の中にオペラ座があって、でも僕らはそこの観客としてオペラ座の怪人を観ていたわけで、「あ、俺らここに座ってたんだよ」みたいな感動が不思議でした。

どうしてもオペラ座の怪人が観たくていったわけではなくて、ブロードウェイミュージカルをひとつしか観れないとしたら、どれを観るのが一番後悔しないだろうかと考えて選んだ演目。
でも観てよかったと素直に思いました。
圧倒的な声量、雰囲気に完全に呑まれ、言葉の壁とかそんなものどうでもよかった。
そりゃあストーリーの詳細まではわかりませんけど、とにかくすごかった、感動した。
途中どうしても辛くて、中だるみしてるところで2回くらい意識を失いましたが、それでも初日に見に行ってよかったと感じました。
あれでだらだら1日目を寝てすごしてしまったら、2日目以降どうなってしまったか。
ただでさえ引っ込み思案の僕が、かなり思い切った初日の行動を選んだわけですが、裏目に出ることなく一気にNew Yorkという街の虜になってしまった。
そんな夜になったのでした。

興奮冷めやらぬ中、帰りは帰りで地下鉄にまともに乗れるわけもなく。
Times Square 42nd駅の券売機は日本語表示があって感動したけど、それでもZIPコードの入力は相変わらず求められ。
夜遅いからか、自動券売機はお札を受け付けないし。
みんなして不機嫌そうなものすごいでかい黒人のおばさんがいる窓口に並んでるし。
え~、あそこで買うしかないわけ?
意を決して並び、「Two, Single ride, please.」とかわけのわからない英語を発する僕。
4ドルチャージされたメトロカードを1枚、黙って返すおばさん。
カードを1回通して僕が通り、中から外の妻にカードを渡して、今度は妻がカードを通して入る、そんな乗り方もOKなんですね。
それはあらかじめ知ってたから、今回は大きなトラブルにはなりませんでしたが、あのおばさん怖かったなぁ・・・
僕の前の人と言い合いしてましたからね。
しかも言い合った挙句、客を無視しきって、おばさん完全勝利でしたからね。

なんとか無事に家に帰れて、初日が終わるのでした。
もう何を食べたかなんて、覚えてません。
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回想NYCマラソン #6 への3件のフィードバック

  1. こうめ のコメント:

    はるかさんのコメント楽しみです。
    でも、すっかりNYの虜になったことはわかります。
    NYの人ってほとんどの人が親切って感じがします。
    おせっかいなくらい色々世話やいてくれたりしますよね。
    日本に帰ってくると、他人は知らんよって感じに寂しくなったり。
    地下鉄の間違いはお決まりですから、気にしなくてもいいと思う(笑)
    #7楽しみにしています。

  2. はるか のコメント:

    地下鉄の一件、いま思い出しても胃がちぢみます(汗)
    死ぬほど駅員さんの目の前で通れない様を見せ付けていたので、
    あれは英語が通じたんじゃなくて、私の様から判断してくれたのだと思います(笑)
    宿泊したところはどことなく漫画の「CIPHER」に出てきそうなお部屋でした。
    アパートメントの入り口の感じとか、ブザーとかが。
    泊まってるじゃなくて、住んでるっぽい感じが味わえてよかったです^^
    マジェスティックシアター、地下鉄のトラブル(?)はあったものの、時差ぼけで眠くて眠くて・・・。
    でも、あの劇場の雰囲気でぱっちりと目が覚めました。
    PRINCEのPVに出てきそうなすんごいカッコいい男性に見とれたり・・・(スーツ姿に帽子を斜めにかぶった姿がもう最高にカッコよかった)
    「オペラ座の怪人」そのものも、英語なんて9割分からないのに、最後ダダ泣き。
    帰国して映画をみたり、サントラを聞いたりしたんですけど、NYでファントムを演じている方の歌声がやはり一番良くて、真剣にマジェスティックシアターに買いに行こうとか思っちゃったり・・・
    (NY版のサントラは、マジェスティックシアターでしか変えないようなのです。。。通販もないみたい)
    感動のあまり、その日つけていたお気に入りのファーブローチを、劇場のどこかに落としてきてしまいました・・・
    その場ですぐ分かったんだけど、探す度胸はありませんでした(^_^;;
    帰宅後、携帯を買うときに寄ったコンビニで買っていた、インスタントの「味噌うどん」を食べました。
    チャイニーズなパッケージなんだけど、説明書きは日本食のうどん。
    アジア系の人気料理家(らしい)のプロデュース商品(らしい)
    レトルトのうどんをいれたカップに水を入れて、電子レンジにかけるのですが、こんなやりかたは日本じゃまずないので、ちょっとビクビク。
    「ぶわぶわになるんじゃないか??」と。
    ちゃんとできたんですけど。でも、お湯を二回入れるだけで事足りるのでないか?という疑問がぬぐえません(笑)
    味も、ちょっとダシがたりないけど、フリーズドライの豆腐もちゃんと豆の味がしてそれなりに美味しかったです。
    かずきは・・・なに食べてたっけ。
    ああ、そうだ、おなじくコンビニで購入したパストラミのサンドイッチ食べてましたよ。
    これは、とても美味しかったです。

  3. さかい家.NET のコメント:

    回想NYCマラソン #7

    博多に向かう機内でこれを書いています。(5/2のことです…)昨夜、「プラダを

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