衰退

我が家の近所は昔ながらの商店があったりする古めの町だが、最近では新興勢力にや
られている。
ツタヤとブックオフができたおかげでその近くにあった古本屋は店を閉めたし、新し
いスーパーの前にあった果物屋さんも店じまいしてしまった。
そんな店の中に古びた雑貨屋があった。
雑貨屋といってもオシャレな雰囲気はみじんもない。
古い車庫を改造して作ったような店内は、家庭用の蛍光灯がひとつついてるだけ。
茶碗やカップなどの日曜の食器類や、台所用品などがほこりをかぶって陳列してある。
私たちが引っ越してすぐに「店じまい特価」の張り紙が出された。
で、店じまいの日がきても、品物は並んだまま。
そのうち、軒先には「タダで差し上げマス」の張り紙とともに、小さなお猪口やざる
が並んだ。
その店に、一度だけ入って買い物したことがある。
ケーキの飾り付けにと生クリームを買ったのだけど、肝心の絞り出しようの道具を忘
れていて、「あればめっけもの」と通り道のその店に入ったのだ。
ありました、しかも立派なヤツ。
6種類もの絞り出し口がセットになっていた。
ウラの値段を見たら「800円」。ついでに300円の野菜など用のカタヌキも購入。
店のおじさんに「これお願いします。」と差し出すと、「500….いや、250円でいいよ。」ですと・・・!
確かに、ものは古くて埃もかぶってるけどさぁ・・・。
それいらい、その店の前は通るけど、買い物はしてない。
で、今日通ったら軒先の張り紙が変わっていた。
「あなたの思う値段でけっこうデス」
・・・ううむ~。

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